このサンプルは,アメリシウムの単体の写真です.アメリシウムが生成・分離されたのは1944年のアメリカであり,カリフォルニア大学バークレー校のシーボーグが中心となった研究によるものでした.ただこの研究は当時の核開発計画であるマンハッタン計画と関連していたため,翌年になるまで機密とされていました.アメリカで発見されたことと,周期表で一つ上の元素が欧州大陸にちなむユーロピウムだったことから,アメリカ大陸にちなみアメリシウムと名付けられました.
このサンプルは,アメリシウムの単体の写真です.アメリシウムが生成・分離されたのは1944年のアメリカであり,カリフォルニア大学バークレー校のシーボーグが中心となった研究によるものでした.ただこの研究は当時の核開発計画であるマンハッタン計画と関連していたため,翌年になるまで機密とされていました.アメリカで発見されたことと,周期表で一つ上の元素が欧州大陸にちなむユーロピウムだったことから,アメリカ大陸にちなみアメリシウムと名付けられました.
アメリシウムは人工元素としては珍しく,産業上の用途が比較的ある元素です.そのためある程度の量が核物質から分離・生成されており,社会に出回っていますが,強い放射性物質であるため比較的高価です.
241Amはα線源として,例えばイオン化式煙感知器として火災報知機に使用されることがあります.アメリシウムから出るα線により近隣の空気をイオン化しそれによる電流を計測するもので,煙などの異物が来ることによる電流量の変化などから煙を検出します.かなり昔の火災報知器にはアメリシウムを用いているものがあるため,廃棄の際には確認が必要です.また,アメリシウムから出るγ線を用いた金属の厚さ計測器なども産業では利用されているようです.ほかにも,ベリリウムにアメリシウムから出るα線を吸収させることで中性子を発生させ中性子線源として用いたり,物理の実験における線源としての利用も行われるなど,超ウラン元素のなかでは比較的利用機会の多い元素だと言えます.