原子番号93 ネプツニウム

このサンプルは,ネプツニウムの単体の写真です.ネプツニウムは1940年にアメリカのマクミランとアーベルソンのグループが238Uに中性子を当て239Uとし,これがβ崩壊することで239Npを得るという方法で合成,単離に成功しました.同じく1940年の日本の理研では逆に中性子の少ない237Uの生成に取り組んでおり237Npが得られていましたが,単離ができなかったため発見には至りませんでした.人類が手にした初の超ウラン元素(ウランよりも原子番号の大きい元素)であることから,天王星(ウランの語源であるUranus)の一つ外側を回る惑星である海王星(Neptune)にちなみ名付けられました.

Element Cube_ネプツニウム

ネプツニウムは人類が初めて生成に成功した超ウラン元素です.ごく微量には自然界にも存在しますが,それ自体の用途はありません.ただ,高速増殖炉などで238Uに中性子を照射し核燃料として使える239Puに変換する過程において,239Npを経由して核変換が起こっています(といっても,途中で取り出したりするわけではないので,ネプツニウムの用途というわけではありませんが……)

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